前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

シベリヤ人の世界(1968年)

京橋のフィルムセンター小ホールへドキュメンタリー作家 土本典昭上映作品
http://www.momat.go.jp/FC/kyobashi-za14/kaisetsu.html


1967年(昭和42年)ロシア革命50周年当時にシベリア各地の街や村〜首都モスクワでの記念式典を取材した『シベリヤ人の世界』 を視る。夏のアムール川の岸辺をビキニ姿で歩く女性たち、東北シベリアに住むヤクート族とトナカイの夏の風景、新興都市建設と結婚ラッシュの街ブラーツク、 ソ連中から優秀な数学者・科学者を集めた実験地 アカデムゴロドク、林業集落での質素な50周年記念とモスクワ赤の広場での軍事パレードの対比など。


革命50周年記念の年だけに、世界中からマスコミを招待していて通常よりも取材班への規制に手が回らなかったのかと思うくらい、クダケタ映像も多い。
行儀の良い青年舞踊団やピオネールの詩の朗読もあるなかで、当時の若者文化の流行が映されていて面白い。世界中で流行してたジェンカやゴーゴー?も、第二次大戦終わってから生まれ育った若者たちの勢いが世界を覆っていたのかなと。第二次大戦中からの徹底した男女平等なのか・・・女性が建設現場で巨大なクレーンを操作している光景は今見ても新鮮。


前半の市民や学生へのインタビューは訊き方自体がアバウトすぎる。外国の取材班に細心の注意で答える知識人の不憫なこと。ナレーションで少し触れられているけど中国の学生の状況(文革での下放)とは異質な感じのする、大学生による社会奉仕建設隊に参加した女学生が、お金の使い道を訊かれ、『〜あとベトナム支援に。』との答えに時代背景が窺える。