前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

『鉄を喰らう者たち』

コンゴでのレアメタルの国際争奪戦と鉱山労働者への安全度外視ぶり、北欧のケータイ通信会社の鉄塔を造っているバングラデッシュの有毒工場で無防備な姿で危険な労働をしている現場などを告発するドキュメンタリー、一週間分の中の一本。
NHKBS世界のドキュメンタリー シリーズ グローバル化の陰で
『鉄を喰らう者たち』2007年ドイツ
バングラデシュチッタゴン沖で大きな廃船を雑なガス切断以外ほぼ手作業で鉄に解体する労働者たちを映す。


遠浅の泥の中に切断して落ちた三階建て分くらいの鉄の塊を大地に引き揚げるため、水害など貧しい北の農村から出稼ぎに来ているケーブル班が、重たく太い鉄のケーブルを肩に担いで曳いていく。
もう見てるだけで重い疲労が伝わる。
地主は解体の請負人をして地元民は監視員や労働者向けの商店など楽な仕事についている。商店で出稼ぎ労働者はツケで買えるが、給料から直接引かれて残金もなく半数は田舎に帰れない。


この作品の写す搾取の構図とは別に、どう見てもムダに非効率で疲弊する作業と、低賃金労働者たちをあざ笑う連中への怒りが、自分のことのように曳き付けて勝手に疲れる。この放送枠は50分だけどオリジナルは80分もあるらしい、それ観るのもツライ。