前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

お笑い沖縄ガイド 貧乏芸人のうちなーリポート

お笑い沖縄ガイド 貧乏芸人のうちなーリポート (生活人新書)

お笑い沖縄ガイド 貧乏芸人のうちなーリポート (生活人新書)

【笑い】には時に笑うしかないものがある。地元沖縄ネタのなかにヤンバル芸人こと作者の積年の怒りチャンプルが伝わってくる。帯カバー『晴れ、ときどき不発弾』これを文字面だけ見てヘラヘラ笑う連中に脳天めがけゴーヤで天誅を下すべし。
悪辣な文化人ども、沖縄男性の自殺率が全国トップクラスだろ。なにが癒やしの島だバカヤローである。


米軍の対ゲリラ戦用訓練場の近くに高級リゾートホテルとプライベートビーチ。
著者はあくまで遊び心を忘れず、沖縄名物の観光客を茶化しつつ、米軍基地内の黒こげバーガーから歓楽街まで軽妙に伝える。ネタも惜しみなく多くて面白い。けど、おかげで2004年の米軍ヘリ墜落事故も思い出しちまった。読み手の頭の中では嫌なバタフライ効果が止まらない。うへぇ。
沖縄から行った米軍の海兵隊も参加したイラクファルージャ市民大虐殺と、テロとの戦いをうたった小泉劇場に乗っかった大勢の日本のみなさんと、米軍基地と引き換えに沖縄に沢山の金を払ってやっている*1と騙る消息筋に、この本に書かれてある控えめな地元の本音に2〜3百発撃たれてほしい。出版大国ニッポンの不毛な新書の中で久々に読み返した価値ある一冊。(えらそう)


東京とワシントンに偏った日本人社会への複雑な愛憎と怒りと自虐。笑いは臨界点に達した危険な現象。
まぁ、日本人の魂とやらは相変わらずアメリカーに、投資家モドキの子供じみた国際情勢分析に、自身の賢い保身に始終ヘラヘラ笑うだろうけど。

*1:ズー・セオリー 動物園政策とも言う。植民地に使われる餌まき政策