ルポ最底辺 不安定就労と野宿
- 作者: 生田武志
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2007/08
- メディア: 新書
- 購入: 17人 クリック: 171回
- この商品を含むブログ (87件) を見る
2007年8月出版後から複数のブログで優れた紹介文や同感する感想がweb上にある。
監視カメラがドヤ街を囲み、犯罪行為は無視して他でもない労務者とボランティアの動きを追っていると著者は主張する。その外側には警察と福祉事務所と地元病院の無視の壁。
著者はパターン化はできないと断りながらも日雇い労働者や野宿者を、不器用なくらい馬鹿正直に働いて生きている人々として個々の暮らしを紹介している。確かに世間に蔓延する愚か者的な偏見を覆すには必要な寄り方だとは思う。
裁判傍聴記などでも、不器用な高齢者や軽度の知的障害と思われる人々が、生活保護を頑なに断ってまで刑務所に行くほうが人としてマシだと思い込んで、わざと捕まるケースを幾つも聞くので。
彼らの失態を冷笑したまま、説得すらできてないワレワレ側の方だって不細工で愚鈍なのだが。
要は保身だけで機能しない行政は変えないと、ボランティアは疲弊していく。
ワーキングプアとかロスジェネとかの騙りは、広告代理店やらメディアか社会学者のバブリーな食い物、と思いを強くする。