前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

新宿インシデント

珍しく全国ロードショー映画を観に行く。范冰冰/ファン・ビンビンをスクリーンで見たいが為に行ったので、映画作品には清々しいほど期待ぜず。やっぱり綺麗すぎて存在が浮いている。


90年代の新宿歌舞伎町〜大久保を舞台に、大陸からの密航者グループと、歌舞伎町の黒社会とヤクザの抗争を描いたバイオレンス映画。
シーン各所では当時の社会情勢とか最底辺に暮らす不法居留者の暮らしの細かいところを感心するほど調べている。繁華街で古くから店を持つ華僑とヤクザと新参者との対立関係とか差別意識とか、もう少し突っ込んで描けば深い社会ドラマになったと思う。それが映画表現にありがちな過剰な暴力・スプラッターにより現実味を失っている。ダニエル・ウーは演技上手だけど。
肝心な道具と時代設定の齟齬にもガッカリ。携帯(実物は出てこない)の番号とかUSBメモリとか、一体いつの時代なんだか。
唐突なラストの字幕説明も、今は違いますよ〜。密入国しても一攫千金とか暴れたりできませんよ的な、読み取り方を勝手にしてしまう。


アクション封印というキャッチコピーにも疑問なくらい、ジャッキーのための映画、としか思えない活躍ぶり。映画のトーンは時代設定のせいか微妙に明るさを抑えている、それでも主役を演じる歳は隠せない。
ネガティブな感想は別にして、この映画は久々に池袋シネマロサの地下スクリーンで観た。当時はシネマ・セレサ、80年代にこの映画館で香港娯楽映画2本立てを観たのを思い出す。五福星とかサービス過剰なオモシロさを懐かしく思い出す。



3行で映画の感想述べようとする試みには、今回も失敗。