前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

寄席放浪記

寄席放浪記 (河出文庫)

寄席放浪記 (河出文庫)

寄席・芝居小屋を長年観続けた色川武大著なつかしの芸人エッセイと対談本。
86年廣済堂出版の文庫化


戦前から寄席や映画館が多かったという神楽坂界隈で、子供の頃から生意気で屈折した観客だった様子が伝わる著者の自白と覚書。対談相手との芸談もなんだか死んだ身内の思い出話のように生生しくて濃い。名前しか知らない昔の芸人のおぼろげな姿が想像できるのは貴重。


和服に三味線やギターで舞台に立っていた、かしまし娘ちゃっきり娘など女性の音曲トリオ漫才、どういう経緯でああいった芸風になったのかなと思ったら、【女道楽】と呼ばれたジャンルが元にあった。博多屋人形(二人組)などお互いの美醜をあげつらいながら音曲を競うトリオの話も書かれている。