前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

『君が代少年』を探して 台湾人と日本語教育

1935年/昭和十年四月に起きた台湾大地震、被災し死ぬ直前に「君が代」を歌ったとされる台湾人小学生の話を、日本統治下朝鮮の当時の教科書で知った著者が「美談」のオリジナルを探し、資料や関係者を辿って行く。あらためて世紀を跨いで貴重な証言が遺されているテーマかなとも。


他の日本植民地時代の台湾本と明らかに違うのは、どうやって源流を調べて行ったかという過程を淡々と記しているところ。初台湾行きでの記述はあまりに素人っぽいけど、それだけ台湾通でもないフツーの日本人という立ち位置。日本統治時代は良かった/虐げられていた、という二極にも偏らない。亡くなった「君が代少年」は台湾でも貧しい客家の子だった。記録映画化され母校では銅像にされ教科書にも載った。


取材に協力してくれる中で親日派の老人達のインタビューを読むと、君が代少年そのものかと思う。
皇民化に成功した(してしまった)過去の教育の生き証人をみると、教育改革を語る政治家達の妄想も馬鹿には出来ない。




四川大地震発生から一ヶ月を過ぎた。報道で被災民の美談をいくつか聞く。