前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

スワジランド飢餓の季節

BS世界のドキュメンタリー シリーズ/アフリカ
から録画した二本を視る。ニジェールスワジランドの回。
NHK国際共同制作のスワジランド 飢餓の季節50分と短い放送時間枠によく入れたなと思う複眼な内容だった。
スワジランドの子ども達に食料を配り学校教育に力を注ぐ、児童ケア施設で働く痩せた青年を軸に、国内外の様々な実情を写して行く。隣国南アフリカの大都会ヨハネスブルグに駐在している白人ジャーナリストの本音(毎日毎日、飢餓の記事を書く訳にはいかない。)、これと反対に先進国の人々の無関心さを高飛車に批判する国連人道問題調整事務所のインタビューもあり。
国民に敬愛されていると紹介される若き国王も、私性活のほんの一部を聴かされた後で、国内の議会での棒読み演説や国連本部での援助要請スピーチを観ると白々しく映る。
自然災害や農業水の未整備だけが食糧危機の理由ではなく、WFP国連食糧計画の配給所が穀倉地にあったりする例を見せて、自作農を萎えさせる援助の問題も見せている。
外国からの投資や企業誘致も、低賃金労働の搾取工場として稼動している。


冒頭の痩せた青年もまた、国の成人4割にあたるHIV感染者のひとりであることを告白して番組は終わる。




各国からの食料援助のなかに日本からの物資も一瞬映っていた。
このタイミングでの放送は横浜で開催された第4回アフリカ開発会議に合わせたのかと勘繰る。アフリカ各国への日本のODA増額方針は国連常任理事国入りの為の票稼ぎとも言われるが、これまでアジア開発援助の『実績』を視ると、巨大商社と両国政府関係者の私腹を肥やす商法に思える。