昭和天皇と貞明皇大后
- 作者: 原武史
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2008/01/22
- メディア: 新書
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お祈りに生きた貞明皇后の影響力は実際どれほどのものだったのか解らない。でも2・26事件での昭和天皇の激昂、勝ち目が無い戦争を多大な犠牲を省みず止められなかった『精神性』の理由には納得させられる。
今まで天皇の戦争責任について既存の証言集などテキストでは読み手の心情をどちらかに寄るしかなかったけど、21世紀になってより昭和天皇関係の新事実・資料、研究本が出てくると、より脆い人間天皇像が見えて来る。
敗戦後から地方巡幸した全国各地で熱狂的歓迎をする人々、謝らない現人神は自信を取り戻す。
天皇個人の戦争責任よりも、いつもこの辺が引っ掛かる。