前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

エビと日本人2

エビと日本人〈2〉暮らしのなかのグローバル化 (岩波新書)

エビと日本人〈2〉暮らしのなかのグローバル化 (岩波新書)

エビの輸入消費世界一だった日本での消費が減った理由は、家庭で揚げ物調理しか普及せず、ヘルシー志向や後始末がめんどい油が嫌われて、という業者。

80年代後半に東南アジア沿岸を広くフィールドワークして書かれた、『バナナと日本人』、『エビと日本人』の一連の本を読んだ当時の驚きは覚えている。貧乏旅行の行き先に影響も受けた。でも当時の文章を載せて再考している箇所も多いので、今回の新書だけでも大丈夫かと。当時は日本の消費者向けに働く現地の低賃金の工場やマングローブの生態系を破壊して作られる養殖地を紹介し淡々と記していた。
どちらも90年代後半から欧米の消費者運動で搾取工場と現地の環境破壊/南北問題として、反グローバリズム多国籍企業を告発する運動などで広く認知されるようになった・・・とは思う。まぁ交友関係狭い人間なんであんまり確信は持てないけど。


これは改訂版ではなく20年間の世界のエビ生産地の転移と流通・消費の変化を纏めた続編。


個人的にはレンジでチンする生活をしてないので、どうも当事者意識が薄く読んでしまった。
2004年末のスマトラ沖地震 アチェの大津波と犠牲者、そこもエビの養殖が盛んだったという。確かにマングローブが残っていたら防波堤になって被害は最小限になっていたはず。