前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

暴動と言う報道のしかた

チベットのラサで中国統治に抗議する大規模なデモがあり、死傷者が出ている。各地に飛び火とニュース。
2005年夏に悪路の西チベットから東へ抜けた旅行者としては、思い浮かぶ顔の現地住民へ当たり前の心配と冷めた身勝手さを同時に覚える。



世界中の紛争地で『暴動』『鎮圧』とニュースで使われるのはおおよそ為政者側からの発信。それが分っていても嫌な感覚から逃れられない。
去年から大陸のテレビでは今年夏の北京オリンピックへ向けてイベントや特番がうんざりするほど多く流れていた。観光資源としての民族融和ムード広報も多かった。この世界へ向けた国策イベントの秒読み段階で、自治区とは名ばかりの地で抑圧され続けた民族の強い抗議が世界発信されたタイミングをあれこれ邪推もする。


日本国内では未だ昔の満州統治は志高かったとかいう妄言が横行する。それにひきかえ中共チベットウイグルへの暴挙はけしからん、という雄弁なネタによく使われている。後半は正論だろうけど現地に住む住人達(移民を含めて)に殺し合いでも薦めるつもりなのか、ふつうの人の正義感にはなんだか背筋が凍る。