前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

ワイルド7

当時の少年漫画には斬新だったワイルド7は、短期間のテレビ実写放送があったとはいえ当時の子供にはあまりに怖過ぎた。雑誌立ち読みで生々しいコマに震えた事を今も覚えている。10年後の最終回頃にようやく単行本を48巻遡ってハマった。前作の『秘密探偵JA』シリーズとの共通性は多々あるけど対象年齢が違う。
死刑囚級の犯罪者達で独立した白バイ隊を組織して、国家権力にまで根を張る巨悪を潰す、逮捕ではなくその場での射殺・死刑を認められるが隊員は独り独り壮絶な死に方をしていく、というストーリーが魅力だと思う。7人モノの作品でここまで味方が死ぬのは他には知らぬ。
悪党対悪党も今思うとワイルドのメンバーで元凶悪犯って爆弾マニアの両国くらいじゃないの?とか言うのは止す。


以前から気になっていた同時性を検索。男臭い悪党同士が殺し合うペキンパーの西部劇『ワイルドバンチ』と漫画『ワイルド7』の時系列は、映画日本公開が69年8月16日で、望月三起也先生が少年キングに連載開始が9月21日との事。時代は過激な暴力を望んだのか、認めたのか。


美男美女が出て来ては銃撃・爆破シーンばかりのおバカ作品はゴミ山のようにあるけど、この二つは別格。アウトローが弱者の味方に着いて縦横無尽に活躍・退治してくれるのは痛快、でもやがて彼らも相応の報いを受ける事が描かれる・・・と、どうにも観客・読者側の限りのない残虐性へ戻っていく。