前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

カナダもの

10月の放送分からカナダ先住民ものを二本。
アニマルプラネット
イヌイットとシロクマ』 
a Boy among Polar Bears(2005年 英国BBC)


北極圏近くのカナダ定住区に住む親子の犬ぞりでの狩の旅を映す。
季節ごとに変わる動物・獲物も紹介。効果的に過去の先住民のモノクロ記録映像を挟んでいる。ワモンアザラシを苦心してモリで獲る技術も感心するけど、犬橇で遠征してあのサイズの一匹で家族全員の食が足りるのか心配。雪を切り出して積み上げる氷の家は吹雪避けなので30分以内に作るという難度の高さ。
伝統的な狩を見せるのかと思ったら、一角クジラの狩猟はライフルで撃ってスノーモービルで氷上へ引揚ていた。まあそうでしょう今は。とはいえ、敬意と恐れの対象ホッキョクグマの狩のやり方をイヌイットが真似ている映像がユーモラス。





BS世界のドキュメンタリー
『石油高でウラン鉱山が復活する』揺れるカナダ先住民の村 
Somba ke The Money Plase (2007年 カナダ)


米国のマンハッタン計画からヒロシマナガサキへ実際投下された原爆の製造に使われたというカナダ国内のウランと鉱山周辺に住む先住民の被爆による健康被害を伝え、エネルギー資源争奪の投機と開発に沸く世界のウラン需要に乗って、再び先住民の地へ採掘企業が押し寄せてくる現状を映す。
番組はカナダの制作ながらカナダ政府の先住民への対応がウラン優先だった事を、過去の公文書を遡って指摘。近年行なわれた先住民の被爆調査も採掘企業寄りの研究機関へ委託したという。現在の国境をまたいで、見本とされるケースで紹介されたものに、アメリカ先住民のナバホ族の土地では2005年にウラン採掘を禁止する決定がされていた。


ヒロシマナガサキを先住民の祈祷師の不吉な予言につなげる手法はあまり感心しない。どうせなら今現在のアフガン・イラクで米軍がばら撒いている劣化ウラン弾に繋げてみては、と思った。