前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

マルクスの二挺拳銃

新文芸座マルクス兄弟珍サーカス(AT THE CIRCUS 1939)
マルクスの二挺拳銃(GO WEST 1940)の二本立てを観る。
夜の回で先週の二本立てより更に客の入りが少なめ。予告で流れる最新映画と本編のギャップも楽しめるようになった。
どちらも昔観た作品なので、古い記憶の復習にも似た鑑賞に。


『珍サーカス』は3年前の作品『マルクス一番乗り』を踏襲した創りで、よっぽど評判がよかったのかと思うくらい似ている。チコとハーポの演奏シーンでカメラアングルが周囲の役者の演技にピントが合ってたりして見せ方が上手。
グルーチョが珍しく長々と歌って踊る『リディア〜』は話術同様にナンセンスで面白い。


『二挺拳銃』は最初のシーン、駅でのトリオ掛け合い以外は笑いのテンポがかなり早い。ラスト近くでの馬車と機関車のデットヒート、ハーポが客車を破壊しながら(燃料のマキにして)走らせるシーンが自分のマルクス兄弟のイメージに合っていてお気に入り。『我輩はカモである』並みの映像による大袈裟さは破壊力がある。
ソフトフォーカスで余計にこの世のものとは思えない美男美女なんぞを助ける物語は映画の定番になってしまうけど、観客を軽くペテンにかけてる感じで悪くない。まあ、あんまり長くないように頼む。
インデアンの村での友好的な演奏シーンは、今から見ると雑味がする。全体的に西部劇映画のパロディなんだから屁理屈は野暮だな。