前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

潘陽(旧奉天)から長春(新京)へ

長春映画製作所(旧満映本社)

潘陽から長春へバスで向かう。
車内放送の映画は007の最新作カジノロワイヤル。二年前も大中華主義を走るバスの中で、007のパクスブリタニカな映画を見せられる不思議。


吉林省へ入る。街の中心は渋滞が目立つ。終点のバスターミナルの場所が判らないまま、全員大混雑の道路に降り、あとでそこが列車駅付近と知る。


動物的力ンで安宿が固まってる地区を奥へ奥へと進む。古い団地街で旅館や招待所の看板を掲げている。近所で買い物してたようなおばさんに声をかけられ、そのまま団地の奥の階段を上がったところが自称『旅館』だった。大きな窓があってテレビ付き個室が30元。交渉が終わってから日本国パスポートを見せると、毎度驚かれる。一泊200元以上する大賓館とか大酒店に泊まるのが常識らしい。一昔前なら外人の宿泊は断っていたと思う。まだパスポートとビザの意味が判らないようで不安がられる、国内の旅行許可証としてビザの意味を伝える。


少し休んでから長春の街を歩く。旧満州映画社が長春電影制作所として一般公開している場所までは、歩くと4キロくらいあるので5時までの公開まで余裕がない。途中でタクシーを拾う。最新型の料金メーターを倒すと中国語と英語で市内タクシーのサービス関連の説明が音声で出る。進んでる!!この運転手は珍しく信号を守ってクラクションをほとんど鳴らさない品の好い運転だった。初乗り5元、目的地まで10元だった。


長春映画製作所の入場券は2007年7月時点で35元。



正面玄関へ緩い坂道を歩いていると、入り口で手招きする係員がいる。まさか甘粕理事長に呼ばれてるのかとウットリしてたら、急を要す呼び方。早足で向かって行くと、中国人のバスツアー客がガイドについていく始めだった。客が一定数集まると社屋内をアトラクション込みで、説明してくれる模様。

暗い廊下には代表作のパネルやスターの写真が並ぶ。

なぜか中国人ツアー客と一緒に回る。録音室では鳴り物の道具を子供達に持たせて、映像に合わせ生録で鳴らせたり、特技(特撮)室では青い背景のまえに子供達を座らせて、空飛ぶ世界旅行の映像を合成して見せたり、



MV制作では中国語版『北国の春』を歌わせ、背景にヒマラヤ風な映像を合成したり。制作料金は結構高めだった。子供の父親はしぶしぶDVDを買っていた。


予約で来れば、旧理事長室とか視せてくれるらしい。自分は中国人ツアー客として回って、旧満映の感慨も消滅してしまった。現地民に喜ばれる作品を作れなかった、という推測を強くした。

中庭に朽ちた戦闘機など


おまけ


帰りは日本統治時代の建物を視ながら歩き。









古くない図書館。左にロシア語表記


宿の近くで肉入り刀削麺を6元で。CCTV子供向けチャンネルで23時から古いモノクロ映画を放送。

なんと『雷鋒』!!文革時代の美談は未だ変わらない不思議。