前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

昭和初期の流行歌

写真で見る昭和の歌謡史 戦前戦中編
写真で見る昭和の歌謡史 (補巻)
2冊を図書館で眺める。当時のレコード・チラシと歌詞カード・流行歌手のヨソユキなブロマイドも大量に楽しめる。解説は必要最小限で、当時の流行歌CDを聴きながら視るための本かも。


前から気になってた、音丸が歌う満洲三部作『君は満洲』『満洲想へば』『満洲吹雪』のチラシ・歌詞カードを見る。満洲吹雪の詩は結構重たい。昭和11年は未だ検閲が緩いのかなと。


昭和12年ミリオンレコード、元警官から歌手になったという小野巡『開かぬパラシュート』危ないタイトルだけど、歌詞は載ってなかった。


・・・脱力する詞

『チンライぶし』昭和13年 キングレコード
時雨音羽 作詞  田村しげる 作曲 樋口静雄 唄


手品やるアル
みな来るヨロシ
うまくゆコナラ
可愛がっておくれ


●日本ビクター 平井英子・岸井明が歌う『姑娘(クーニャン)可愛や』は、ゆるい可愛らしい歌詞だった。チャイナルンバという名称も。植民地のマスコット李香蘭に繋がるのかな。


有名な『酋長の娘』で喜代三盤のジャケットと歌詞を見る。

酋長の娘
作詞・作曲 石田一松(演歌師) 新橋喜代三 唄


私のラバサン 酋長の娘
色は黒いが 南洋ぢゃ美人


赤道直下 マーシャル群島
椰子の木陰で テクテク踊る

テクテク・・・擬音が妙な感じ。ここまでしか載ってなかった。
全詩はHP おやじの唄にあり。
昭和15年 古川ロッパの『ロッパ南へ行く』でも、間奏に
〜私のラバサン酋長の娘 色が黒くて闇夜じゃわからない〜
と語りがあった。



『ハルピン旅愁 昭和15年 日本ポリドール 
  佐藤惣之助 作詞  服部逸郎 作曲 東海林太郎 唄
(一番)
宵のキャバレーの踊りの中で
どこかさびしいあの娘(むすめ)

青いすみれかアカシアの花か
ぬれて散るよな その瞳
(二番)
酒はかがやくペチカは燃える
遠い故郷の夢ごころ
銀のサモワールたのしく囲み
弾いて唄ふよ バラライカ
(三番)
若いこころを毛皮につつみ
馬車(マーチュフ?)雇ふてかへり路
ハラショハラショとどこまでとばす
キタイスカヤの夜の雪
(四番)
送りませうか送られましょか
明日は別れの北の空
せめて今宵は粉雪(こゆき)の窓で
聴こよヴォルガの船唄を


当時の哈爾濱 ハルピンに内地の日本人が妖しい憧れを抱くよな歌詞。