前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

グリズリーマン

Grizzly Man 監督 ヴェルナー・ヘルツォーク 2005年米 

毎夏アラスカの国立公園で灰色熊たちと暮したがった男のドキュメンタリー、ディスカバリーチャンネルの録画で視る。放送はオリジナル103分のことろ、他番組のCMが異常に多い。2003年に恋人と共に熊に襲われる直前まで撮られたビデオ映像と、家族や友人・関係者の証言で構成されている。

動物物とはいえ、3メートル近い巨体の灰色熊グリズリーに近づき、何年もビデオを回し続けた細身の若者個人の人間ドキュメンタリになっている。 大学時代からの重度のアル中から脱しようともがいた末に見つけた居場所だった。
アラスカでは少ない密猟者から熊を保護する使命を自ら架したり、熊の保護を訴えるPRのつもりなのか繰り返されるビデオの取り直しは『自分大好き』の印象を受ける。熊やキツネに向かって何度も『愛してる』と連呼する、そうかと思えば長期間雨が降らずに川の水量が減り熊の餌になるサケが昇ってこれないのを、神に罵る(ビデオに向かって)。飢えで小熊が親に食われてもいるので。
13回目の夏の最後に襲われて喰われる瞬間は、音声だけが記録されていたという。音声は流さずに担当した遺体検死官から語られている配慮はオトナ。


ネット上での感想は否定的なものが多い。便乗するつもりは無いけど、制作の意図がワカラナイ。知人・友人はもちろん国立公園の関係者達が行なったはずの、彼ら二人と一頭の後始末は大変だったろう。彼らとは関係なく各地で動物保護・環境保護活動を続けている人々への、誤解や中傷などたやすく想像できる。