鶴見良行対談集
- 作者: 鶴見良行
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2005/06/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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個人的にインドネシアのスラウェシ縦断など貧乏旅行の行き先に相当影響を受けた。面白い香港本著者の山口文憲氏との対談や、鎌田慧「アジア絶望工場」での対談もある程度覚えてはいる。今読み返すと、日本の左翼への憂慮とか当時は見落としていた関係に気づく。べ平連からアジア地域研究へと流れる「感覚」を、共有しながらとても退いて観ている。『バナナと日本人』は学生一般向けに書かれているが、事実を淡々と追っている。よくある植民地の搾取、とかに執り憑かれない著者の見方は、読者に伝わっているのかなと。
農業重視の歴史研究や、意味の無いイデオロギーや国家で割り切る都市研究に阻まれている、自身の海流交易の研究は急逝により途切れてしまった。今ならネットを使ってより歩きながら考える、辺境からの繋がりは面白く出来そうでもある。
今はクリックで答えを探す慣れがそれを邪魔するかも。