前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

地雷リポート

地雷リポート』を読む。
世界中に埋まっている対人地雷の主な種類と特性の解説、それぞれ除去の問題点などが書かれている。97年のアンゴラカンボジアでの取材と、日本での国際会議の地雷廃絶運動を捉えている。出版当時97年には日本は年間予算7億円の地雷生産を行なって、6種類で推定100万個近い数を保有している。
対人地雷廃絶へむけたオタワ条約には日本政府は米国と共に批准せず、自国防衛に適しているからという説明が解からない。大体自国民が被害に遭うのが地雷なのに。ベトナム戦争では米軍が撒いた地雷に米兵が一番被害に遭っている。こんな厄介な自己責任は無い。


驚いたのは南アフリカの地雷メーカーが除去技術を国際会議場に売り込みに来日していること。一粒で二度美味しい業種は他にもあるとインタビューに答えているのも凄い。この辺の商人根性を知っておかないと、人の良心に訴えるような廃絶運動では効かないだろう。


地雷は戦争が終わっても延々と自国民を殺し続けるので、自己破壊装置もしくは自己不活性装置付きというハイテク地雷もある。ただこれは精度の問題とコスト高で一般的ではない。むしろ地雷は技術力の薄い人件費の安い国が生産し、市場で売り込み競争をしている。