前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

シルクロード悠々

 「シルクロード悠々」 色川大吉 著
80年代前半の古い紀行でも、古代の歴史と今の国家紛争に巻き込まれる旅人としての私怨まで率直に書かれている。後年破壊されることになるバーミヤンの石仏のアゴまで登り、通説の「イスラム教徒に顔を削られた」のではなく元々お面のようなハメコミ式だったらしい窪みを記している。
様々な国の短い紀行文の中で印象に残るのは、中央アジアのある場所で、著者は自分の子供の頃とソックリの羊飼いの少年を見つけ、動揺しながら身振りで会話を試みるが通じない、自分のペンを贈るも強く突っ返されて更にたじろぐ・・・ところ。
トルコ近辺まで日本人に容姿が似た諸民族が住んでいる事実を頭で解っていても、こういう事態は動揺するだろう。


国内への揺り戻し対策のように宮本常一著作集18 旅と観光」を読む。
菅江真澄集を1冊づつ持って北東北や北海道を旅するのも好いかもしれぬ。