前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

メディアリテラシー放題

『統計はこうしてウソをつく』ISBN:4826901119
米国で実際に報道された、「有名人へのストーカーが20万人いる」
「毎年15万人の女性が拒食症で死んでいる」
「ネットでDLされる画像の大半はポルノ」
カトリック司祭の6%が子供とセックスしたことがある」・・・
等々間違った例を検証して、共通要因と正しい統計への指針を書いている。
社会統計というもっともらしい数字は、問題提起の「意図」が混ざり、
間違ったまま引用されて延命し、一人歩きする。


【統計への基本的問いとして三つが挙げられている。】


①誰がこの統計をつくったのか
官庁が、民間組織が、活動家が。組織慣行か誇大広告への用途。
(財団の調査や、業界団体、市民運動などの発表がそのまま流される)


②この統計はなぜつくられたのか
(調査するもとになったテーマや意図)


③この統計はどのようにつくられたのか
(偏った抽出調査や、当て推量。設問の誘導など)
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(以下全部私観)
当て推量から結論へズサンな乱用への決め文句は、
『これは氷山の一角です。この問題は計り知れません』
報道の中で見つかるアドヴォカシー・リサーチは氷山の一角かと思う
無駄な財団も、調査がニュースになって組織の存在意義を持つ。
銀行、旅行、チョコレート等々、業界団体のアンケートも季節の風物詩か。


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★以前に読んだ関連良書。
「「社会調査」のウソ リサーチ・リテラシーのすすめ」の詳細な書評は↓
http://sv2.humeco.m.u-tokyo.ac.jp/~minato/cgi-bin/bookres/20000714171501.html
個人的には「(回答者)ヒトはよく忘れる。ウソをつく」という調査者側の
定義が挑発的で◎。日本での統計の検証機関の設立についても提唱している。