前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

ラグレットの夏 / 他者

(注)編集エラーで前日分の後編をここへ記す。
『ラグレットの夏』(A Summer in La Goulette) チュニジア1996年  
フェリッド・ブーゲディール(Ferid Boughedir)監督

1967年、第三次中東戦争勃発前夜の海辺の町ラグレットを舞台に、アラブ系・ユダヤ系・キリスト系の、宗教、民族が異なる3つの家族の夏の日々を、軽妙洒脱なタッチで描いた作品。チュニジア出身の女優クラウディア・カルディナーレがゲスト出演している。

15時の回で観る。
監督はパリ大学でアラブとアフリカ映画の論文で博士号をとっている研究者。
ドキュメンタリーを創った後、この映画を含めた長編作2本を撮っている。
チュニジアの綺麗なロケーションと、夏の地中海の眩しい日差し。なかよし3家族の娘たちのロストバージン計画。子ボンノウで酔っ払いの親父たち。中東戦争前のくだけた雰囲気が描かれている。大家で金貸しがメッカ巡礼に何度も行った孤独な老人だったりする。老人が倒れるラストシーンに「パパラギ」の言葉を想い出す。
若い娘の綺麗な体を首まで包み隠してパパラギはほめる。彼女は「純潔」だと。わからない。


『他者』(The Other) エジプト1999年
ユーセフ・シャヒーン(Youssef Chahine)監督

日本でも多くのファンを持つ、エジプト映画界の巨匠ユーセフ・シャヒーンの最新作(?)。歌あり踊りありのエンターテイメント作品。現代版ロミオとジュリエットともいえる恋愛を軸として、欧米資本の導入や宗教問題など、エジプト社会が抱えるジレンマを浮き彫りにする。

18時の回で観る。それも知人をさそって一緒に観た(反省)
この監督はエジプト映画界の2大重鎮の一人という。
歌姫フェイルーズを主役にしたミュージカル映画「指輪売り」も撮っている。
この作品は、大富豪の子息とジャーナリスト専攻の庶民の娘が「豪華」に「恋愛」。
上流階級が過度にアメリカンな感じは演出なのか、批判なのか謎です。
ゴージャス・ママのお化粧と香水が画面から臭って来たっス。生物兵器と認定。
エジプト映画…カイロの映画館ではハリウッド映画しか観なかったと反省しきり。