前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

ポーランド映画祭 Rewers「裏面」

恵比寿ガーデンシネマポーランド映画祭2010の初日に行く。
「裏面」Rewers(2009年)
チラシの作品紹介に惹かれた。


『1952年ワルシャワスターリン時代をブラック・コメディ風に描いた快作。』


 時代設定からスターリン晩年と死後の社会のドタバタ?かと思いきや、祖母・母・主人公の三世代の女性が、監視社会の恐怖の中でも軽妙に難局を乗り越えていく不思議なドラマだった。当時の社会主義的ニュース映像を混ぜたモノクロ時代と、主人公が老女になっている現在をカラーで交差して映す構成になっていた。


時の権力や戦争に翻弄され自由のない時代を生き抜くなか、一番大切な親子の間柄でも知らない裏面の過去を明らかにする必要はない・・・ということなのかなと。


ポーランドの戦中戦後の歴史は予備知識も乏しいので、細部に気づかなかった所も多かったはず。時代背景を知らなくても、完全犯罪ものの軽快なブラックコメディとして充分楽しめるのでは・・・とは思うけど。
鑑賞中に気になった重要な過去として語られる単語『ワルシャワ蜂起』『パルチザン』これらの意味を知る事で、登場人物たちの立ち位置の違いが変わったり、複雑な人間描写にもなる。
そして建設中だった『文化宮殿』=スターリン様式ワルシャワ科学文化宮殿、これはアネクドートでよく出てくるけど、略称がPKiN(北京)と未だに呼ばれている事を知る。本当の主人公はこれかもしれない。偉そうに生まれてドーモスイマセン。(三平風)