前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

『ペルシャ猫を誰も知らない』

東京フィルメックス映画祭で上映のペルシャ猫を誰も知らない』No One Knows About Persian Cats(イラン映画 2009年 バフマン・ゴバディ監督)を見た。
久々に良作の映画に出会えたー。


イランでは禁止されている欧米系のロックやポップな洋楽演奏。
一組の男女のバンド結成と海外ツアーへの夢をストーリーに、地下で、屋上で、牧場で、各地でひっそり演奏練習してる個性的な音楽グループを紹介している。首都テヘランの様々な映像と絡めてスピード感のあるミュージッククリップ。個人的には主役のバンドよりも、メンバーを探す設定で登場するヘビメタバンドやソウルシンガーばりの女性ボーカリストや渋いラップグループのPVが良かった!民族音楽も二組紹介されていて盛り沢山な106分。
笑いどころも多い、娯楽映画として成立しているとはいえ、やりたい音楽をするだけで警察に通報されてしまう、抑圧された異教徒のような現状の閉塞感も随所に伝わる。


この映画は今のイラン国内での上映は無理ということ、残念。今後の活動も危ぶまれると監督本人のメッセージが上映前に代読された。
脚本の共同執筆者にはイラン国内でスパイ容疑で拘束され(釈放され)たジャーナリストのロクサナ・サベリーの名がある。