前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

暗殺・リトビネンコ事件

名画座 夜の回でロシアーチェチェン戦争関連の二本上映を観る。
チェチェンヘ アレクサンドラの旅】 (ロシア・フランス 2007)ドラマ
ソクーロフ監督の緩くてワカラナイ作品だった。有名なソプラノ歌手を主役に起用しロシア人観客からチェチェン『紛争』を見て、ぎりぎり敵と心通わす入り口になるよなドラマ・・・といった狙いなのか。紛争地に駐屯している将校が自分のお祖母さん『アレクサンドラ』を戦地に招待する〜ストーリー設定でもう疑問符の渋滞。検閲も考えてなのか登場するロシア兵もチェチェンの市民も退き気味で行儀が好いのも、見ていて煮え切らない。監督の芸風とはいえ、ストレートに見せられないものを観客の想像力に丸なげ過ぎ!これじゃ人は自分の都合がいいものしか見ないぞ!そういふわけで文化人の皆さん鑑賞後に大いに騙れるソクーロフ


【暗殺・リトビネンコ事件〈ケース〉】2007(ロシア)ドキュメンタリー 
監督ネクラーソフが、亡命先のロンドンで2006年に暗殺されたリトビネンコを以前から取材していたビデオ記録に、ロシア公安のテロ行為・暗殺を告発するさまざまな人物と素材を差し込んでいる。
ブレまくる手持ちカメラとテレビのニュース番組など、画質がスクリーンの大きな映画館向きではない110分は長く感じた。TVサイズで60分も可能な気がする。
ブログに書きたいことはこれ以下、
ロシア国内で次々殺されていくジャーナリストのこと。アンナ・ポリトコフスカヤがモスクワ劇場占拠事件でチェチェン犯人側にロシア公安関係者が居た事を新聞記事にした日、公表できた彼女の得意満面の笑顔と深い自嘲が交差する会話。ネクラーソフがモスクワ中の新聞スタンドを訪ねて回るが、彼女の記事が載っているノーバヤ・ガジェータ紙を一紙も見つけられない。
市民の無関心を嘆きながら、簡単には情報を入手できない現実も映している。この時点でロシアのネット人口は10%程度と少ない。重層的な隔絶を感じる。


10月にDVD発売予定