前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

ククーシュカ ラップランドの妖精

CSシネフィルイマジカで放送されたКукушкаククーシュカ ラップランドの妖精』(2002年ロシア)を見た。
スカンジナビア北部に住む先住民サーミ人女性が主役の珍しい映画。公開当時ロシアでは評価が高かった模様。
設定が面白い。第二次大戦中に戦線から外されたフィンランド軍とソ連軍それぞれの兵士が、辺境で暮す独り暮らしの先住民女性に助けられる、それも衣食住付き。・・・男の妄想大サービスの異国情緒モノとしては陳腐だが。
言葉の違う3人が意思の疎通ができないまま、日々暮していくドタバタはコメディ映画なのかと。ククーシュカとは鳥のカッコー、狙撃兵を指す俗語、それともうひとつ最後に明かされる。


ログハウスが地上から浮いているような貯蔵庫や魚を獲る迷路のような罠、特に興味深かったのは〜シャーマンの儀式で仮死状態の彼を蘇生させようと魂を呼び戻すシーン。犬の遠吠えと熱い風と太鼓の音。太鼓は東シベリアのシャーマンが使っているものと似ている。トナカイ文化とシャーマニズムは極寒の地共通なのか。
残念なのは当時のサーミ人の置かれていた境遇について描写がないこと、夫が国家間の戦争に駆り出されて戦死してるのかと想像する。