デルス・ウザーラ
20世紀初頭。ロシア軍人による極東ウスリー地方の測量探検を助けた先住民の老猟師デルス・ウザラの物語。
クロサワがソ連で『デルス・ウザーラ』(1970年)を映画化していたのを原作本を読んだ後に知って、いつか再上映があれば観たいと思っていた。今回の東京国際映画祭 Natural TIFF 部門で再上映と製作者の貴重な話を聴くという恵まれた企画を観る事ができた。
映画前編はデルスと隊長のタイガの森での出会いから、一回目の別れまで。後編の探検は翻訳本(過去日記●)の内容をうろ覚えのまま、なぞるように観た。
会場の渋谷オーチャードホールは予想に反し観客が半分くらいと少ない。音響も程よくも、映画館とは違う古風なイスに思いのほか首がこった(ワガママ)。
日ソで公開当時は多くの観客は、おそらくシベリアの大自然の過酷さをこの映画で感じたのではないかと思う。
特にクロサワ映画好きでもないので、劇中に出会う諸民族たちの描き方に興味が行く。ゴリド人(現ナナイ)のデルスは天然痘の流行で一家を失う、商人たちとの毛皮交易で騙されたり、流入する近代文明と交差する民族。