前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

ブラジル映画祭『カフンドー ジョアォンの奇跡』

表参道ヒルズのスペース0[ゼロ]で始まったブラジル映画祭2008を観に行く。


CAFUNDO『カフンドー ジョアォンの奇跡』2005年


元黒人奴隷のジョアォンが人生すべてに挫折した時、神の啓示を受ける。仲間と赤い水の教会を建て、神の声に従って人々の病や悩みを救ったという伝記的映画。


生まれ変わるまでの俗世の描写が鮮烈で生々しい。民間信仰の治療師である母、奇石の村に暮す仲間、都会の見世物と猥雑なカーニバル、白人社会の黒人労働者、アフリカ起源の民間信仰カトリック信仰の混在。


この作品でおどろおどろしく魅力的に描かれている、ブラジルのカンドンブレ/オリシャ信仰をサイトの親切な映画解説で知る。
個人的には主役のジョアォンに幻視として現われるエシュ(本日の画像)の存在が強く頭に残る。民間信仰の悪魔なのかと思ったら、もっと自在な精霊で人間生活、願望に身近な存在らしい。地味で真面目な主役に対するトリックスターとして、無駄に発散するエネルギーも可笑しい。俳優Flavio Bauraquiの名を覚えておく。