日々の非常口
- 作者: アーサービナード,Arthur Binard
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2006/08
- メディア: 単行本
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複雑怪奇な日本語や英語が飛び交うこの世の中を短い文量で批評している、外人というより怪人かもしれぬ。
おおよそ軽快な中に、重たいモノも混ぜてあり。
【不安運転】
シックハウスの新車版、シックカーは初耳。車内で内装に使われている塗料・接着剤などから揮発性有機化合物が2年近くも充満しているという。
【刑務所産業の果実】
19世紀から20世紀半ばまで行なわれていたアメリカ南部の白人による黒人リンチ・吊るし首を、『奇妙な果実/Strange Fruit』の詩で紹介しながら、現代の刑務所建設は白人が多く住む地域へ作られ、都市部の黒人が果実のようにもぎ取られ収容されていく『収穫』を非難している。
貧困区での厳しい取り締まりは、割れ窓理論の実践なのかもしれないけど、管理者目線からの経済効果はうなずける。
南部の黒人吊るしの因習と黒人有罪率の高さは『ジーナの6人』事件で、過去ではない事と知る。