前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

サスペンス博物館

BS朝日 牛山純一 20世紀の映像遺産から 
頭蓋骨と風葬 ニューギニヤ最後の裸族 1981年放送
パプアニューギニア、中央寄りの山岳奥地に住むヘワ族を取材した映像。当時『素晴らしい世界旅行』などリアルタイムで視たような記憶も少々する。存在を知られるようになった1970年代、急流のラガイップ川を挟んでヘワ族は北と南に分かれて住んでいる。狩猟と焼畑で移動していく生活。取材班が現地民に竹製のつり橋を修復してもらい北ヘワに渡る。急斜面を登ると地上から6mもある高床式の家、生木の枝を落として建っている。ここでは親族の遺体を風葬にして、何年か後に頭骸骨だけを洗骨して色を塗って家に守り神のように飾っている。解説によると風葬自体は戦前の沖縄にも見られたそう。


南へ新築祝いへ呼ばれた親子が、対岸に渡るのに倒木を使って丸太を三本組んで(小一時間)、イカダに母子を乗せると父親が掛け声を出しながらボディボードの様にバタバタと人力で漕ぐ。急流なので危なっかしい。この映像にかぶるBGMが商店街で流されるような柔和な曲で、四半世紀の隔絶を感じる。結婚式や葬式よりも新築祝いがヘワ族には祭りのよう。近隣から人が集まって、女性陣が寄ってたかって建物を板や小枝ででバシバシ叩く、魔除けのシキタリらしい。男達が派手な鳥羽飾りを身にまとって夜明けまで踊り続ける。


恐怖の縮首を見た‼ アマゾンのヒバロ族1982年
当時の流行だったのかタイトル通りショッキングな演出が見られる。
南米エクアドル・ペルー国境の山岳地帯に住むヒバロ族の奇習を取材したもの。敵の首を狩った直後に、復讐の魂を消すため首を握りこぶし大に縮める風習を持つ。干し首・乾首とも。取材当時この伝統を実際に続けていたのかは微妙。
普通の衣服を着た(文明化された?)村での取材は、同族同士の結婚式を映している。縮首は見られず、原猿を使って頭蓋骨を取り出し、皮と肉の内側に焼けた小石を何度も入れて乾燥させる工程を再現していた。


奥地の村での取材は発酵酒の作り方と、筒の長い吹き矢の製作工程など。縮首の実物も。




確かに貴重な映像だとは思う。でも四半世紀前に放送された『未開の部族』モノを、未来の今から視直すと立ち眩み。自称文明人なんて奴らも疑わしい。当時のとりみき作の漫画『るんるんカンパニー』にも、(人類未踏の処女地に入ってから、よろずやで買い物して・・・)とかあった。川口浩探検隊以降のこの時期、秘境と民族はお笑いの種になってしまった。