前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

監視装置の最新技術

ナショナルジオグラフィック・チャンネル スペシャ
『監視装置の最新技術 SURVEILLANCE』
2005年7月にロンドンで起きた同時多発テロと街の監視カメラを冒頭シーンに使い、世界中の町や道路に設置してあるwebカメラ映像を使って容疑者捜索、顔認証システムの最新技術を紹介している。特に3D顔認証システムは番組の演出がSFっぽくてどうも・・・。個々の最新技術は確立されているとのこと。日本のメーカーも参加している。


X線の応用でバックスキャッターという技術の紹介があった。金属など密度の濃い材質を透過して、人やモノなどの有機物の形をくっきり映すもの。米国の空港で導入されたが、服を透過するためにプライバシー問題になっている。これを車に搭載して横付けした不審車を透過して視る映像が緻密だった。貨物に人が潜んでいるとか、積荷の隙間に隠してあるモノの輪郭が映る。だだ過剰なCGが多いので、どこまで現実の精度なのか疑問だったりもする。照射されるので安全とは思えない。


ドバイ空港での虹彩認証システムの実用を映していた。眼球の模様は指紋よりも個体差に10倍の精度が上るという。すでに2万5千人近くを不法入国の過去歴で照合したそう。
個人認証チップを注射で皮膚の下に埋め込むRFID、という米粒サイズの技術を実用も取材している。アムステルダムの夜のクラブでのVIPカード替り、見た限りでは便利には思えないけどコレがもう少し小さくなれば・・・知らないうちに貼られる不安もありうる。電子マネーの使い勝手が更に上れば個人情報を追跡するのも簡単そう。


CS『デモクラシー・ナウ!』でも丁度、米国と関係国の監視社会の問題を扱っていた。9・11以降に出来た対テロ法の『愛国者法』で大学や企業が個人情報を政府機関に売っていたり、安全保障の地域間協定でインターポールの欧州地区(ユーロポール)の個人データは米国の機関が自由に入手できる国家枠を超えたプライバシー問題。アラブ系カナダ人が知らずにテロリスト容疑者(これも立証できない)に接触しただけで、監視されたり、米国内で予防拘置され国外追放されたケースについて話されていた。




なんでも国家の陰謀や権力のせいにする言説はウンザリだけど、昨今の監視・管理技術を視ると、幼稚な政治家や偏執狂の官僚が喜んで大人買いしそうな玩具だらけ。携帯電話やメール、電子マネーから顧客のデータは記録され続けて、賢い消費者などとおだてられた動物群は行動も消費も『予測可能な人間』になる。なんとも表現できない便利で馬鹿にされてる感覚。