前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

ガザ地区武器密輸トンネルのある町

BS世界のドキュメンタリーガザ地区 武器密輸トンネルのある町
Rafah, One Year in the Gaza Strip 制作 Playprod  2006年フランス
録画(50分)を視終わってから、感想も消化されない中で続々と最新ニュースが追い討ち。
番組の内容はイスラエル・エジプトとの国境の町ラファでの1年間の混乱。長期のイスラエル軍占領が撤退した直後から取材は始まる。町の外れには何年も前から、エジプトからの物資、武器の運搬に無数のトンネルが掘られ使われている。この存在は長年パレスチナ側の抵抗運動に使われているが、停戦協定後も使われ今度は内部対立や一族のいざこざに銃が使われている混乱を映してもいた。


これの番組を視ながら雑念が湧く、この場所のこれまでの粗筋を知らずに、この騒乱のありのままの映像を視ると、パレスチナで暮す人々のイメージがただ悪くなる・・・
最近のドキュメンタリーには歴史的経緯やコレまでの背景を説明しない作品が多い。妙な誘導をせずに視る側に判断を任せる作りもわかるけど、これだけ視ると『こんな血の気の多い奴らはイスラエルに占領されてる方が良い』な暴論も出そう。極端で単純な感想の方が情報としては伝わり易いから。
イスラエル軍に占領され交通も遮断された狭い空間で、何年も占領され戦車が走り空から爆撃され、身近な親類が殺され、同胞と騙るアラブの周辺国スポンサーからの政治・武装抵抗も分裂の苦渋のなか、彼らの怒りと憔悴をテレビ映像から理解するのは無理に近い。パレスチナ人という括りも、イスラエルが建国されてから結果的に作られてしまった存在で、独自の民族ではない。


現在のイスラエルの領土は戦車などでパレスチナの村を壊して広げられた。この番組で初めて知った事に、空から爆撃される住民の家にはイスラエル軍から数分前に電話で避難を呼びかけて来るという礼儀。もうブラックジョークを超えている。