朝の連ドラ希望
今回の都知事選候補を見わたすとガラパゴスで迷子になった感じ。選択肢の数だけは縁起がよい。
- 作者: 日野睦子
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2003/11/26
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る
全体を通して戦後すぐの仙台での貧乏暮らしの家庭と、幼少期から逃れられない政治=お茶の間な日々を綴っている。父親は国会議員でも様々な労働運動や宮城県でのまとめ役として歳費は消えてしまい、母親は月末に借金取りと落語でいう掛取り万歳みたいな応対をくりかえしている。小学生の頃から家族全員野球というか無給の私設秘書みたいな家庭。毎年一万通もの年賀状宛名書きとか、無数に出入りする後援会のひとの名前を覚えることとか。夕方に訪れてくる独居老人達にいやいや夕食を作るとか。姉はウグイス嬢として遊説中に車からころげ落ちて、あとあと後遺症に苦しんだとか、ほのぼの家庭とは程遠いけど、とても憎めない超ビンボー社会主義共同体である。
有象無象の来客と後援会関係者、家族の話がメインだけど、本来なら筆が鈍るはずの当時の社会党の右左の内紛についてや、朝鮮への帰還事業など、子供の記憶として記述されてもいる。よそ様の家庭に土足で上がってイロイロ伺ってしまったようで申し訳ない感じも三割。