音の風景
- 作者: 大和定次
- 出版社/メーカー: 春秋社
- 発売日: 2005/06/01
- メディア: 単行本
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初仕事では当時生放送のドラマに、駒下駄を履いて若い芸者のお百度参りの「足音」をやらされたり、足音用の石運び・泥や水運び、小道具としての重たい鳴り物運びをやらされたり、職人の下積みがあったそう。大河ドラマでは65年(昭和40)「太閤記」オープニングで新幹線の通過音入れが最初の仕事とのこと。
ラジオドラマの歴史では、大正14年放送の海外翻訳の本格ドラマ「炭鉱の中」は昭和41年にリバイバル作成されている。
大正15年3月の陸軍記念日に放送された推理ラジオドラマ「科学戦」では生放送に本物のダイナマイトを放送局裏に埋めて爆発させ近隣住民を驚かせたたという。大正版「愛宕山」だなぁ。
ソ連を代表する映画監督のタルコフスキーがラジオ局の仕事をしていた時期(1964〜65年)にドラマを一本作っていたことを知る。フォークナーの小説「急旋回」が原作とのこと。完成作は当時批判され放送されず、後々ペレストロイカの87年に放送されたとか。
著者が手がけたラジオドラマではニッポン放送で98年オンエア「サイパンから来た列車」が気になる。聴いてみたい。一緒に仕事をしたベテラン効果マン「南二郎」の名を知る。
ドラマ自体見ることも読むことも苦手になってはいるけど、三宮麻由子さんのエッセイ同様に読んだ後には日常の視覚に頼り過ぎている事を痛感する。
はたらけ聴覚。
デビルイヤーは地獄耳