映画評から思い出すもの
- 作者: 藤井省三
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2002/07/25
- メディア: 単行本
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以下は映画評で思い出した、自分の感想を年代別に。
「メイド・イン・ホンコン」1997年(香港)
香港返還直前にズブの素人の役者を使ったドキュメンタリー風映画。主人公の少年が住む老朽化した高層アパートの話とか、映画評に興味深い言及がある。生活に疲れた感じの主人公の母親がセブンイレブンで働いてるのがリアルだった。でも終わり方は「物語」へと強制終了する感じ。それでも視終わった後の衝撃はあった。
「クレイジー・イングリッシュ」1999年
・・・この本を読むまではこの映画を視た事を忘れてた。
日本公開直前の試写会のチケットを知り合いから貰って観に行った。映画の内容は、過激な?英語教育を中国国内で教祖のように布教してまわる、中国人青年実業家を密着取材したドキュメンタリー。生徒の大群が広場で北朝鮮風に団体で英単語を絶唱するシーンとか、講演会で日本人の英語の発音を馬鹿にするところしか憶えていない。やってることは単なる英会話ビジネスなのだけど、言い方が露骨(英語力で世界で金儲け)で煽動的なのが特徴ともいえる。後半になんの脈略もなくヘタなイラストが写って「旧日本軍の残虐行為を忘れるな」といった主張が入る。英語で儲ける青年実業家が保身としての愛国アピールなんだろう。やあご苦労さま。て、これ見せられる観客は不幸このうえない。と言って、独特の評価をされている「南京1937」を視る気力は無いけど。
旅先で視た大陸のテレビCMで英語学習用の電子手帳がやたら流れてた。白人タレントが北京語で商品の効果を語ってるもので、御子様の学力アップ!とか。なんだかデジャブな学習教材。
「初恋のきた道」(2000年中国・米国)
巷では好評価の作品も、名画座で視た時にもの凄くストレスが溜まった。あざといファンタジーの芸風が過ぎるから。それも文革の時代設定で。創作ドラマに時代考証うんぬんを言うつもりはないけど、自分が下放体験者のように腹立たしい。ディズニーランド等で楽しめるヒト向けだと思う。あ、それじゃ大多数か。くそぉ
チャン・イーモウリー・アン監督の「グリーン・ディスティニー」もオリエンタル童話と言うか、ろくでもないと思ったけど、こちらは著者の評価が高い。