前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

エンデの遺言 根源からお金を問うこと

ビデオ録画番組からNHK1999年放送分を視返し。


この作品は放送後に反響が大きかったらしく、再々放送されたり書籍化もしている。「エンデの遺言」検索でweb上に番組のシナリオや内容解説も読める。左アンテナで監視中のサイト「ゲゼル研究会 地域通貨研」などは専門化している。
番組内容は欲張りなくらい詰め込んだ感じ、ただ各地の様々な「地域通貨」の問題点も少しは容れて欲しかった。理想と実践には心から尊敬する、でも「いい事だらけ」を映像で並べると少し疑いが・・・。


係わった事がないので感覚が判らないけど、地域通貨で誤解されると思われるのは「国の通貨」の代用ではないこと。既存の国家が発行する紙幣と、併用し地域通貨が流通して初めて地元地域の経済が活性化されているということ。番組を視直すと色々大事な情報が記憶から抜け落ちていた事を思い知らされる。
第一次大戦直後の超インフレから町を救った「地域通貨」は労働や品物の対価で貰うクーポン券のようなもの、使わないとひと月で価値が1%目減りしていく。それによって人々は通貨を溜め込まずに次へ回す(経済効果大)。この成功を見て周辺が導入を検討した様子を「国家」が危惧して地域通貨を禁止、この時の実践は11ヶ月で終わる。
アメリカの「イサカアワー」イサカでの実践や新聞発行や公報の実行委員会の様子、デンマークでは通帳型の交換リングでの様子が取材されていた。価値は目減りしないけど、マイナスになっていても利息はつかない。これは個人間で値段の交渉が必要になるので、この点は日本人にめんどいかも。
オーストリアでのVIA銀行は既存のカード決済に地域通貨が併用して使えるシステムを導入している。


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右肩下がりの地域経済が広がる親方日の丸列島でも、地域通貨システムは応用して広まるのは必至と思える。
公共〜コミュニティとか、漠然とした名称。これらを語るときモラルが入っていたり義務が含まれたり、これら個人差が対話をギクシャクさせるだろう。


東京では街路樹からの落葉が溜まった道路を掃いてくれているのは、ほとんどが老人達。金曜夜に降った雪も老人達が道を開けてくれる。ひとりの自転車乗りとして2年程前から気になる光景は、都心で降った雪が溶けるまで一週間近く残っている危ない歩道が増え出していること。町内会が機能していない、というよりも古い「公共心」が死に始めている死角の増殖。宗教団体に公共サービス合戦をしてもらうとか、交換リング並みの地域限定の契約社会を構築するか、自分が係わるのを未だに除いてイマジン。たぶんこれこそが問題だな。