前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

ロシアの新興財閥 〜繁栄と没落の軌跡〜

NHK BSドキュメンタリー、録画分から雑感メモ。
The Rise and Fall of the Russian Oligarchs 
ポワンド・ジュール制作(2005年フランス)


オリガルヒと呼ばれる新興財閥・起業家たちとエリツィンプーチン政権までの関係の結びつきと対立を当事者達のインタビューを通して構成している。主にオリガルヒ筆頭?ボリス・ベレゾフスキーのインタビューを中心に、ゴルバチョフ政権当時からのソ連崩壊と新生ロシアの混迷での言いたい放題な感じも。
エリツィン政権では国営企業を国民に配ったバウチャー制度で安く売り叩いてしまい、経済大混乱。大統領は職務怠慢。午後から健康の為にテニスクラブへ通っていたために、商談相手はこぞってテニスクラブの会員になったとか、自慢話のような打ち明け話も多くある。舞台監督あがりのメディア王ウラジーミル・グジンスキーは自身の持つテレビ局でのチェチェン報道が原因で、軍・政府と対立して一時亡命したりもする。しかし、敗色濃かったエリツィンの二期目の大統領選挙の広報責任者となってチカラを貸す。ベレゾフスキーは無名に近かったプーチンを健康に問題があるエリツィンの後継者へと加担するが、プーチンは思ったような操り人形にはならず、対立し現在は亡命している。


売国奴」「国益」という安い言葉も、口にする人間も嫌いだけど、国のインフラや資源や人材を勝手に売りさばいて儲ける連中達の自慢話を聴かされると、パチンコ屋の駐車場に子供を放置して遊ぶギャンブル中毒の親とさほど変わらないなと思う。


偉人伝のインフレのような幕末〜明治期の近代日本の政財界の人間関係も、こんなャな感じかも。



イラク 消えた200億ドル」〜追跡 開発基金の行方〜
IRAQ'S MISSING BILLIONS.
ガーディアン・フィルムズ(2006年英国)


イラク攻撃からフセイン失脚以降、復興プログラムとしてアメリカ政府の意向でCPA(暫定行政当局)からブッシュ政権のファミリー企業や、占領下に乗り込んだ詐欺師達に現ナマのドル札束を与えては、ズサンな復興事業や架空請求に明け暮れていたという実態を伝えるもの。国際貢献を騙ってこの実態は、想像できた事とはいえ、手抜き工事で放置された病院で、乳幼児がオトナの太い注射針で点滴を打たれている映像は苦しい。それに現状追認していく自分も弱すぎ。


気が向いた時だけ、同情したり怒ったり祈ったりする一視聴者も共犯者に違いない。CPAと国連とIMFファミリーは、困窮者を踏み潰して薄ら笑いする業務なり。