打ちのめされ続ける日
- 作者: 米原万里
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/10
- メディア: 単行本
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先日この本を知ったのは、文化放送営業マンのブログ「嫁に隠れて本を買う!」記事から。早速、ジュンク堂の三階へ直行して購入。少しづつページをめくって本日読了。
書評の途中から癌との闘いも並列して書かれて、医者と険悪な関係になりながら癌治療本も大変な量を捌いている。
仕事柄、政治的発言は抑えているだろうと思いきや、大きな勘違い。どうすることもできずにチェチェン・イラクの惨状にも心底苦しんでいる。国内の政治にも、いわゆる愛国法は「米」国を愛するものだろう、とか。外務省の隠蔽体質と怠慢にも、脳を筋肉のように酷使する現場労働者として怒りを示している。
書評家の書評というのも数冊あって面白く読めた。得意の反語法ではないけど、翻って自分自身の書評にダメ出ししてる皮肉も隠し味に。
それにしても悔しいのは、「こんな本読みたい」と誘惑に駆られる思いを自制しながら、課題図書はドンドン積まれてしまって著者の意地悪な術中にハマること。
読書量が違法なくらい過積載なので、当然ここの駄目ブログに感想モドキを書いた本の幾つかも、書評をされている。
特に嬉しかったのはソ連関連に絞っていえば
「クレムリンの子供たち」id:konton:19981022
「ラーゲリ(強制収容所)註解事典」id:konton:20060531 など。
「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」の補完文、プラハの幼年学校の暮らしと読み耽った本の列記を綴って、未だ視ぬ未来の通訳者達へのアドバイス在り。がんばれ!俺以外。