前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

こどもの三点観測

土曜夜放映分の番組を観る。NHK BS-Hiハイビジョン特集チェチェン紛争 子供たちの情景」The 3 Rooms of Melancholia
BS 世界のドキュメンタリーでも放送していたもの。
フィンランドのカメラマン兼映画監督のピルヨ・ホンカサロ女史の2004年度作品。日本でもドキュメンタリー映画メランコリア 3つの部屋」として映画館で上映されていた。監督は前作完成後に2000年11月に来日していた事を唐沢俊一氏の日記で知る。


海軍幼年学校でのロシア側と、廃墟のような首都グロズヌイ、隣国難民キャンプでのチェチェン側の子供たちの居場所を撮影し、子供の名前とカメラに写されるまでの短い説明があるだけ。状況説明のナレーションも極力押さえて編集されている。
子供がカメラを全く意識していない、素で撮られてるのが不思議。斜め上からの顔のアップを多用している。対面するように撮ったらまずありえない自然な仕草ばかり。厳しい海軍宿舎でも隙を見つけて詩を作ったり、子供らしく結構ふざけてもいる。

これが撮りたかったのかな?と思ったのは、
ロシア・チェチェン双方の子供たちが二つの場所からモスクワ劇場占拠事件のテレビニュースを凝視しているシーン。
最後に雷鳴のような空爆と占領地から天然ガスが延々と運ばれる鉄道車両にも、デジャブ。


山形映画祭の作品紹介ページで短いながら、監督の短い重い発言が読めた。



悲惨なシーンを並べて晒すような作品ではないだけに、予備情報がないと、どうなんだろうか?理解はひとつではないけど、「子供を大切にしよう」とかで片付けられる気もする・・・。