前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

ひねり屋 芸を騙る

薮蚊喰われ仕事続く。夕刻から通勤自転車で浅草へ行く。サンバカーニバルとは無関係で。


前から楽しみにしていた三遊亭円丈・白鳥 落語会」新作落語といえば当然この二人でしょ、みたいな満員ぶり。会場の東洋館には初めて入った。勿論昔のストリップ劇場とは違う客層・・・いやマンザラそうでもないか。

三遊亭ぬう生 「シンデレラ伝説」(白鳥の過去作品)

三遊亭白鳥  「脳ミソ一家あたま山の決闘」(ネタおろし)
三遊亭圓丈  「ランボー怒りの脱出」

お中入り
(師弟ネタ交換)
三遊亭白鳥  「パパラギ
三遊亭圓丈  「江戸っ子 カーナビ」


ネタの題名で以前聴いた客へ挙手させたところ濃いファンは少数な事を知る。多作の芸人とはいえ自分のように何度も同じネタに当たってしまう場合もあるかと思うが、円丈の場合は前フリで話している通り、演者が望む一定以上の笑いを取れる噺の数自体は少ないとのこと。今回は聴いた事のなかった「ランボー怒りの脱出」で良かった。昭和の名人三遊亭円生の愛弟子だけに、古典落語の仕草が出来上がっている。それを使って「ランボー」を真面目に演じるから客は爆笑の連続。首を手ぬぐいで絞める仕草(アクション)は感心して視てしまった。でもこんな屁理屈を書く客は嫌いだろう。


白鳥は師弟のネタ交換で円丈の「パパラギ」を掛ける。オリジナルの本にはない酋長が日本を語るのは師匠円丈と同じでも、随分ネタの入れ替えやアドリブが多かった。哲学的だと評した師の「パパラギ」が夕方再放送のテレビマンガくらいに視えた。これは芸人のカラーだから当然なのか。白鳥はにいがた時代の印象が強いせいか、師円丈が言う彼の「天才的才能」暴走する狂気がだいぶ落ち着いて視えた。
落語を聴きに行くのは久しぶりなのだけど、落語界の内輪ネタが相変わらず多いのがぐんにょり。それでも固定客は笑っているから良かったというべきなのか、初親子会のウケ方は盛況だった。「新作落語」が面白いと言える貴重な存在ふたりなので長く続けて欲しい。最後の挨拶で円丈がパパラギを最近演らない理由を「最後、客がシュンとしてしまうから」と言ったのが記憶に残った。