前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

知識分子からの借りモノで番組を視る。NHK長崎制作「彼は生きた〜原爆小頭症47年の生涯」
NHKスペシャワーキングプア〜働いても働いても豊かになれない〜」
ワーキングプアについては、おおよそ番組を視る前から想像した内容でもあった。ガソリンスタンドで深夜勤と掛け持ちバイトの父親の姿に色々雑念が入る。体を動かす深夜勤は寝れば疲れが消えるようなものではないし、疲労が確実に溜まる。命をすり減らしてまで子供を大学へ行かす「世間の常識」が自分には解らない。真面目に働いているのに税金が払えない人々として、秋田の商店街の職人と農村家族のケースを取材していたのも、人間ドキュメントに寄っていて、問題は地方行政と課税方法にあるのではないかと思えてならない。
老職人は寝たきりの妻を入院させたまま入院費に年金が消えている。葬儀用の預金百万円は最後の尊厳として残している。それが役所からの審査では問題になるかもしれないという。
「彼は生きた〜」の彼も胎児で被爆して生まれ、体の痛みで働けないのに自ら生活保護を断ったりしている。
自立して普通に生きようとする人間に、行政の業務は自殺者支援センターなのか。


ネット上の多くで「ワーキングプア」を今年の流行語候補、などと書かれている。働いている貧困層という意味がそのカタカナには連想されず、むしろニートなどと同じく激しく乱用される予感も。時々社会学本を読んでいて時々アイスを食った時に起きるあの頭痛に似た感覚に襲われる事がある。従軍慰安婦問題で様々な配慮からか彼女達を「サバイバー」と記したり、「サバイバーがカミングアウト」と続けられたりすると、すっかりアレな気分になる。