前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

フラあるエッセイ

全国子ども電話相談室の回答者に三宮麻由子さんが出演。全盲で花火好きは不思議がられるという説明から入り、花火が広がる音の反響で空の広さと山など周りの地形を捉えられる、といった言葉をラジオから聴き想像する。

福耳落語

福耳落語

子供の頃に点字ボランティアの方が作ってくれた落語本からハマったという。都内23区での図書館の落語音源を残らず三廻りも借りているとか。中学時代の落研の同級生の思い出に「味噌蔵」の生意気な真似が出て来て、読みながら笑った。


落語中毒の著者が現役の噺家と知り合いになって、質問を浴びせ、寄席芸人の所作を端折りながらも体験していく。
高座でモノを喰う・すする名人の仕草と音から、色物の太神楽の鈴の材質まで、聴き取りを言語に翻訳する見事さ。東京の寄席の印象と客の反応と空気にも言及。「小言念仏」で噺に出てくるドジョウ鍋、酒をどせうに飲ませて鍋で煮る料理屋を探してICレコーダー片手に断末魔の音を取材している。ちょっと退くぞ。げに恐ろしき執念なり。





盲人が出てくる落語は主に按摩・座頭、それへの言及があった。
差別用語への配慮に感謝しながらも、内容が憎めない噺なら過剰な規制は望まないといった内容だった。現在は古い音源で聴けるのみで、現在高座でかかる噺は更に限られている。
アンテナ監視中の三遊亭円丈のHPにも新作落語パパラギ」が公開収録後に「酋長」という名前が引っかかるとかNHK側に言われて放送されなかった話が書かれていて、それと繋げて考えてしまう。


事なかれ主義の弊害で21世紀に視れる滑稽落語は窮屈になっている。古典人情噺が嫌いで、新作が仲良しの独り芝居にしか視えない自分の様な客は、どじょうの運命かも。