前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

近隣国は仲悪い伝

国際交流基金のアジア理解講座を書籍化したシリーズのなかで『日韓中の交流―ひと・モノ・文化 (アジア理解講座)』を読む。
日韓中お互いの交流を古代・中世・近世ごとに紹介したもので、史実からの相互理解といった目的からは逸脱した黒い笑いが満載で意外だった。黒いと思った文章・図版などはここでは引用しないことにする。コピペして撒かれても困るので。特に隣国同士というのは仲が悪いのが定番、という自分の小さな悟りを強化してしまう困りもの。


倭寇(日本人の海賊と言うよりも無国籍犯罪集団)の被害甚大で朝鮮側の対倭寇懐柔政策と、それにゴネる横暴ぶりとか最近の話と錯覚もする。日本国将軍を騙った対馬の外交偽書捏造の歴史とか、江戸時代に交流間隔がどんどん疎遠になる派手な朝鮮通信使と巷に流れる無茶苦茶な風評など、煽りのメディアの源流だったり。一体いつからこの国で「征韓論」が生まれたのか?といった経緯の遡り方も、そこには日本側の偉人列伝と重なっていてイタイ。


自分の古い朝鮮のイメージは、厳しい試験により選抜されるエリートの両班制度と下は奴隷制に近い階層の厳しい社会。しかし一人の朝鮮通信使側から視ると、接待側の江戸幕府代表はおおよそ無学な者達で、それに使われてる稀に優秀な下級武士の待遇を嘆いてもいる。なるほど世襲制だもの。