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- 作者: こうの史代
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2004/10/12
- メディア: コミック
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絵がとても柔らかい漫画。それでいて広島の原爆後の話。
元々は雑誌に2回読み切りの形で載ったものと、書き下ろし続編の三部で完結。編集にもファンにも評価されている作家だと思われる。改めて読み返すとページの少なさにも驚く。ギャグ漫画並みの量で、広島の戦後復興〜現代の東京と親子3代の暮らしを描いているので。厳しい情景なのに全体を優しい話で包んでる。
改めて「原爆を今に伝える」という手法を考えさせられる。作者の画風のせいか、回想シーンでの被爆直後のヒロシマは衝撃的ではない。これは中々出来ない芸当だと思う。むしろ何も絵の無いコマでつぶやきのような文字に戦慄。
十年経ったけど
原爆を落とした人はわたしを見て
「やった!またひとり殺せた」
と ちゃんと思うてくれとる?
また恐るべき漫画家の存在を知った幸いな日。