日本という国

日本という国 (よりみちパン!セ)

青少年向け読み物としてつくられている本。視覚で感じるのは教科書に似たバランス、読み易い様にルビもびっしり。イラストは親しみやすい様にということで、決して内容までが脱力系ではない。

なぜ自分達学生が今の学校の勉強を受けなきゃいけないの？、という読み手側の問いから、日本の近代国家をデザインした福沢諭吉のたくらみを説明。幕末〜明治〜と日本の戦略と実際の歩みを話し言葉で語っている。日清戦争で得た膨大な賠償金を元に基金を作って小学校の授業料を無料化したことなど興味深い。太平洋戦争で行なった各地での大量殺戮の断片から、戦後の戦争賠償金と米国の威光と開発独裁政権の関係にまで大事な言及をしている。情動に訴える話も効果的に混ぜて、色々な関心の種を撒いているよな本。