前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

アジアの児童労働と貧困

アジアの児童労働と貧困 (MINERVA社会福祉叢書)
ネパール・ミャンマー・フィリピン。おおよそ80〜90年代までの児童労働の実態調査を本にまとめたもの。2000年刊。
各地でのNGOの試行錯誤と成功の兆し、など紹介されている。


第一章 児童労働と近代化の遅れー ネパール)では93年のカトマンズでの児童労働調査について書かれている。レンガ工場とカーペット工場で長時間低賃金で働く児童労働が多い。なかでもチベット仏教徒のタマン族が多くカーペット製造に係わっている、背景として1960年頃からのチベット難民がネパールに移住し、先進国の社会福祉関係者(赤十字)などの援助で自立のためのカーペット製造と輸出、が発展した結果という。



以下引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(ネパールのカーペットは美しい。そして値段は安い。ネパールのカーペットの原料の多くは、ニュージーランドから輸入されている。そして、ヨーロッパ、特にドイツに輸出されている。福祉先進国のニュージーランドとドイツの老人ホームにネパール産のカーペットが多分しかれているのだろう。先進国の老人福祉を進めるために、途上国の児童労働者がつくったカーペットを老人ホームにとり入れるとは皮肉である。)
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この聞き取り調査から10年以上経っている。買い手の先進国側で搾取工場への監視が厳しくなっているので、一部で少し改善されている動きも聴く。去年チベットで買った安いマニ車も、旅人仲間の話だとネパールで作ってるという。こういう環境で徳を積むマニ車が作られてるとしたら、なにを回しているのかなと。