前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

死保存と活保存

アイヌを生きる文化を継ぐ―母キナフチと娘京子の物語』を読む。北海道旭川の近文を主に、母子二代の人生とアイヌ伝承者としての社会との関わり。
以前読んだ「アイヌ近現代史読本」にも書かれている主な事件の幾つかが、暮らしの中で出てくる。


明治末からのアイヌ給与地の大掛かりな騙し盗りなどが、逆にこの土地での民族伝統への復興へ大きく振れたことが分る。戦後、観光ブームで沸いたりしているが、これも朝鮮特需の好景気か。
高度成長の中、実費でオープンリールの録音機を買って、母親や伯母たちのアイヌ語の歌や昔話を録音しているのは、今では貴重な資料になっている。なってしまっている。


70年代初め起きた開拓記念銅像の爆破事件が、本州で報道されたのか疑問。開拓民家族とアイヌとの歴史は共通でも共感は難しい。


先週講座での話にもあったアイヌ語教室の始まりに、この母子は係わっているが、本文での記述は無い。





去年の夏旅で、カシュガルの安宿で一緒だったアルゼンチンの小学校教師に訊かれて、「アイヌ語は消滅した」と言ってしまったのを、今猛烈に後悔している。何も知らない状態で口から出た言い切り。


最近、アイヌコーカソイド説という迷信が、欧米で今も健在なことを知る。明治期まで極東の「秘境」に自分達と同じ祖先を持つ狩猟民族が居る・・・という説。国際的に有名な理由にはファンタジーの魔法があった。フッサ、フッサ*・・・・・・
(悪いものから身を守ったり、はらったりする息吹き)