前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

アイヌ群像

アイヌ群像―民族の誇りに生きる
読み終わり。
あとがきに(92年から94年まで毎日新聞北海道版に連載された『エテケカンパ』で紹介された人々である。)と。93年の国連国際先住民年に合わせた民族側の主張と出版は集中している。


著名な26人へ取材を通して、脚注で彼ら側からの「北海道」史の解説や戦後の大きな事件・裁判などが説明されて、親切な編集。
インタビュー内容と各人のプロフィールでは、副題「民族の誇りに生きる」という文とは、違う内容に良い意味で混乱もする。
個人や家族、グループ、地域でそれぞれ意見がある、観光と伝承と試行錯誤・・・
土人保護法からアイヌ新法への立場も様々違う。学者や研究者に、死に絶える素材として扱われ続けた事に、怒る人や逆に触発される人など。いわゆる民族主義とも違う柔らかい発言が多いなか、理解者ぶる日本人への辛辣な言葉もある。


映画版「君の名は」第二章の挿入歌、当時流行ったという「黒百合の歌」を思い出す。主人公が異郷の娘から一方的に恋焦がれられる、という万国共通の内容なのだけど、異文化への勝手な憧れと、親から子に継がれる差別は、無知から来る共通の根っこで、自分にはまだ分別不能だす。