前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

アイヌ語をフィールドワークする

アイヌ語をフィールドワークする―ことばを訪ねて』を読む。
研究者の著者が調査の難しさや悩みなども書かれている。調査地では昔和人がアイヌの暮らしと言葉を奪ったくせに今頃なんだという怒りや不審感を頻繁に「体験」するらしい。それでも何人かのアイヌ語を話せる老人と信頼関係を築きながら得難い収集をされている。子供の将来を考えて両親からアイヌ語を禁止されて育ったという老人、差別と貧しさからアイヌであることを封印し、そのまま亡くなる世代。
いずれ絶滅すると心配されたアイヌ語。その予想がここ数年変わり始めている。何度も訪問して来る嫌な学者や研究者たちの熱意に根負けしてか、自らのアイヌ語を孫たちへ残すため協力する老人たちも増えているとか。
誰も日常生活で完璧なアイヌ語を話す家族の復活など求めないだろうけど、様々な分野で土地に住む神々とヒトの関係の復活は望まれているはず。


屯田兵・開拓民として渡った和人も貧しい農村出身者だったりもするわけで、善対悪の図式に簡略化したくないのだけど、この辺の関係性は隣国の自治区の現状にもあてはまるかと・・・・