前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

回教から見た中国

回教から見た中国―民族・宗教・国家 (中公新書)
読み終わり。
中国国内に住むイスラム教を信仰する回族の歴史。唐の時代に流入してきたイスラム商人などの末裔が漢人の地で混血化して回回となり、元・宋の時代には一部が体制側に就いて独自の文化を作る。清の時代には極端な弾圧を受け、むしろ殉教などで結束する経緯が詳細に書かれている。


特に「冒賑」という制度を悪用した大掛かりな汚職などは現代に痛く繋がる。天災飢饉の地へ救済用食糧を輸送するのに換金され、それが官僚などに横領され続けたために甘粛省各地で暴動が起きた事例。餓死寸前の村々にスーフィズムの信仰が広まるのも理解できる・・・気がする。


去年の中華圏旅行では各地で回族の清真食堂で安く食事を済ませた。イスラム教を信心する民族として定義されている回民はウイグル人と違って風貌が漢人と変わりないし、日常中国語を話している。旅先で見かける彼らの習慣が不思議でもあった。イスラムとして見ると中東の旅で見知った生活風景とは色々違うし、インドネシアのくだけ方とも違うモスレムの暮らし。